雷電

強力な爆撃機用エンジンで上昇力と速度を追求した異色の海軍局地戦闘機雷電、1942年2月に初飛行。エネルギッシュな紡錘形スタイルは大直径エンジンを収め、なおかつ、抵抗を低減する為に採用されたが、そのため、延長軸と強制空冷ファンがつけられた。海軍機は雷電から層流翼形が使われるようになったが、雷電は内翼だけ採用した半層流翼である。しかしながら工作精度と現場の整備力低下で十分に効果を発揮したとは言えない。また、海軍機として始めて防弾装備がなされた。その視界の悪さと着陸速度の速さから 「殺人機」と異名を取る程乗るのが難しいと言われたが、戦後の米軍の報告では同項目は良好とされている。大人しい零戦に比べ、大パワー高速の雷電に振り回された当時の日本海軍搭乗員の技量が悲しい。1943年には零戦の後継機として大増産が計画されたが、振動と視界問題で遅れに遅れ、白紙に戻された。
性能諸元 雷電33型
全長       9.945m
全幅      10.800m
全高       3.945m
翼面積     20.05㎡
全備重量    3482kg
エンジン   三菱・火星26型
離昇出力    1820馬力
最大速度     604km (6800m)
実用上昇限度  11500m
航続力       1055km
武装      99式20㎜2号4型×2 (各210発)   
         99式20㎜1号4型×2 (各190発)
爆弾      30kgまたは60kg×2