He162 シュパッツ
敗戦が迫り狂気の支配するナチスドイツの打ち出した国民兵器の空軍版、フォルクス・イエーガー、製造も操縦も簡単で保守点検も最小限で済む高性能機。1944年秋の、この無茶な要求に応えたのは皮肉にもナチスに冷遇され続けたハインケルであった。奇跡的な短期間で開発生産されたHe162は1944年12月に初飛行したが、仕様とは裏腹に、安定性は最悪で国民が簡単に飛ばせる代物ではなかった。それでも1945年2月には最初のHe162の戦闘航空団が組織され、枯渇する燃料や物資、未熟な兵員に苦しみながら、猛烈な爆撃を掻い潜って出撃し英空軍のタイフーンを撃墜したりしてジェット戦闘機の可能性を垣間見せた。
性能諸元 He162Aー1
全長 9.05m
全幅 7.20m
全高 2.60m
翼面積 11.20㎡
最大重量 2700kg
エンジン BMW 003Eー1オハイオン・ターボジェット
推力 800KG
最大速度 840km
上昇限度 12000m
航続距離 600km
武装 MG151 20ミリ機関砲×2