Me209Ⅱ
Me109の後継機Me309の失敗も明らかになり、Me210双発戦闘機も失敗して切羽詰ったメッサーシュミット社は43年半ばMe109の部品を65%も流用し、強力なDB603を搭載した新戦闘機を空軍に提案した。機首はJu88に倣った環状ラジエター、主翼はやや延長、垂直尾翼は高高度での安定の為高くし、主脚は充分にトレッドを取った内側引き込みとし、43年11月には早くも初飛行した。高度6000mで最高速度750km、操縦、安定性にも問題は無かった。しかしMe209Ⅱと併行開発中のFw190Dもほとんど同じ性能を出し、比較検討の結果、生産ラインの変更がより少なくて済むFw190Dが採用となり、Me209Ⅱは不採用となってしまった。これ以降メッサーシュミット社はレシプロ機から手を引き、ジェット戦闘機に専念することになる。
性能諸元 Me209Ⅱv5
全幅 10.95m
全長 9.60m
全高 3.56m
翼面積 17.20㎡
全備重量 3870kg
エンジン DB603A-1 MW-50
出力 1750hp
MW-50使用時1900hp
最大速度 750km
上昇限度 12400m
航続距離 480km
武装 13mm機銃×2
20mm機関砲×2